懐中電灯
その昔名作ぞろいであったサントリーのCMのコピーライターから作家デビューした開高健氏。
あたくし学生時代「玉砕ける」に始まり氏の作品にハマった時期がありまして、ほとんど全作品読みました。
中でもエッセイ風のものが好きでして、確か月間プレボーイ連載の「生物としての静物」は思い入れの深い持ち物について書かれたもので、ベトナム戦争取材時テト攻勢の中九死に一生を得て帰還した時持っていたジッポーのライターであるとか、真冬の銀山湖の小屋に缶詰めになった時ずっと来ていたタートルネックセーターであるとか。
無機物でありながら自分の分身のように愛着がわくという。
実はあたくしも今そんな気持ちなんであります。
通販繁盛で荷造り担当のあたくし、低温冷凍庫ワークつまりテレワークでマイナス25℃の冷凍庫に長い時は二時間くらい入っておりまして、その際持ってはいるのがこの懐中電灯であります。
便所の100Wなんという言葉同様庫内も暗めの設定なので、出すものを書いた書付を照らしたり商品の入った箱の中を見たり、以前ちょこっと書きましたがこいつがなかなかの優れもの。
何より明るいし、キャップに内蔵されたマグネットで棚の枠にぶら下げられるし、ワンタッチでランタン機能になるし。
ただものすごく寒い中で使うため電池の消耗が激しく、三本のバッテリーを充電してはグルグル回しておりまして、凍えた手をお湯で温めにちょこっと出るときはスイッチ切ってポケットで温めながら一緒に出ております。
ですからたまさか忘れて出てしまった時などは気づいたらすぐ取って返し「おお~、ごめん!俺だけ出ちゃって~ ( ;∀;)」なんてんで。
ぶら下がったまま一人で?光ってるの見ますと健気というか可哀そうで、なんかもう相棒って感じ。
LEDの寿命長いとはいえいつか命脈尽きた暁には、お墓作って埋めそうなあたくしなんであります。