調理場回り

外回り復帰からそろそろひと月でしょうか。

久方ぶりに外回りするようになって以前とずいぶん変わったと思われるのが、客先の厨房の雰囲気なんであります。

 

あたくしどもがお肉をお渡しするのはたいがい料理人さんでありまして、15年ほど昔はまだまだ職人気質のおっかない人がいたもんであります。

業者にはもちろんご自分の下にいる弟子たちに対しても厳しくて手や足を出す人も珍しくはなく、ですから調理場はいつもピリピリした空気が張り詰めておりました。

 

それが今回ってますとみなさん優しいんであります。にこやかなんであります。

聞くところによれば当局のお達しにより何か事があるとすぐにパワハラだなんてんで問題にされるだけでなく、やられた側にSNSで投稿なんぞされちゃうともうお店に評判ガタ落ちでソッコー客足に響くんだそうで、チーフも親方もめったなことはできないらしいです。

 

かつて無理偏に拳骨と書いて兄弟子と読むと言われた相撲界ですらあんなですからな、一般社会が丸くなるのも無理からぬことかと。

ま、ある程度厳しくしつけないと育たないという意見も一理ありますが、出入り業者としてはありがたいことではありますな。

けどあれね

 

もしかすると頭薄くなったおっさんが息切らせながら持ってくるので、単に同情されてるだけかもしれません・・・