昔書いたもの
今の仕事に就く前に新社会人として奉職した会社を辞めて三十年近くが経ちますが、殺菌剤の購入などいまだに細い糸でつながっております。
東京に本社があるのですがあたくし自分のおりました横浜営業所から買うことにしておりまして、以前当時の所長のお噂など聞いたところとうに定年退職されていて隔世の感の想いを新たにしたんでありました。浦島太郎じゃないけどその時分の事を知る人も既になからんと。
この度その会社からちょいとした機器を取り付けてもらうことになり昨日営業の方が見えたので、実はかくかくしかじかとお話ししたところがあたくしの存在を知っていたのでびっくり!
聞けば古~い台帳にあたくしのサインが残っているのを目にしたことがあるとかで、変わった苗字だと記憶に残っていたそうな。
五年ほど後輩であるその方としばし思い出話。その後の人事の変遷など聞くにつけ、出世コースに乗った人逸れた人それぞれに想いを致したことでございました。
上方の古い言葉に「書いたものが物言う」というのがあります。デジタル化ペーパーレス化の現代にあって、昔自分の書いたものが今になって役立とうとは思いもよらぬことでありました。
だってさあ、結構いい条件で貸与してくれましたのさ。ありがたいありがたい
ではその言葉にまつわる短い噺を。
ある商家で夜な夜な便所から話声がするというので騒ぎになりその道の方に見てもらったところ、落とし紙に使っている書付が原因であると。
「そりゃまた何ででっか?」
「そりゃそうやろ、書いたものが物言うてんねん!」
わ・・分かりました?