一人称
先週店長日記のスベタのお話で「なにさ、このスベタ!」と思わず書きましたが、スベタの前置詞?としてこの「なにさ」はいかにも収まりがいいですな。
これ「なによ」だとちょいと迫力に欠けまして、同じように語感で考えた場合一人称に当てはめますとこうなります。
すなわち
なによ→なにさ = あたし→あたい
更にこれを発展させますと
わたし→あたし→あたい となります。
「わたし」というパブリックで標準的な一人称が「あたし」になるとややすれっからし感が出てまいりまして、「あたい」になると更にあばずれ感が強まりますな。
ではこれらを元に女性の一人称について図表に表してみたいと思います。わたしをゼロとした場合の比較で横軸は成熟度、縦軸はステイタスになります。
いかがでしょうか?
「あたち」に見られる胎向現象とは別に「あちき」(わちき)がプロットされた位置が両対極に二つあることが注目に値(あたい)します。赤字で示された太夫とはいわゆる松の位にある最上級の花魁で、一方けころとは別名羅生門河岸と呼ばれる下の下になります。詳しくは落語「紺屋高尾」や「お直し」を聞いてくださいね。
あとど~でもいいけど最下部に男の「あたい」をプロットしておきました。こちらは落語「佃祭り」をお聞きください。
しかしどうすか、あたくし外国語の類は全く解しませんが英語とかって一人称「アイ」だけなんでしょう?たったひとつ自分を表すだけでこれ以上の種類があり、しかも聞いただけである程度背景が浮かぶなんて、やっぱ日本語大好きですわ~