鴻池の猫
あたくしの好きな落語の上方噺に「鴻池の犬」というのがあります。
雪の日に商家の軒先に捨てられていた三匹の子犬が丁稚の世話で飼われることになり、元気に育つうち一番上の黒犬は縁あって当代きっての金満家鴻池善右衛門のボンの元にもらわれていきます。
栄養満点我がまま一杯に育てられ、やがて大阪一の犬の大将になったクロの前にある日みすぼらしい姿の捨て犬が町内の犬に追われ逃げてきまして、実はこれが生き別れになった弟であったという。同じ家に拾われながらちょっとした違いでその後の運命が大きく分かれたのでありました。
さて、これとちょい似た話があたくしにもありました。
先週水曜日に会社の裏に野良の子猫が三匹いるのを見つけ、様子を見てたけど親猫がいる様子がありません。どうやら授乳期を終えたばかりといった大きさで親と別れてからいくらも経っていない様子。
どうしたもんかと思っているうちに正面の方にノコノコ出てきて遊びまわり、やがてテントハウス横に以前ネズミが空けたと思われる穴の中に落ちついてしまいました。
また仕草が可愛いんですわ~!あたしも好きだから
留守がちの我が家では拾ってこれ以上飼うには無理があり、自然に恵まれて生きるには好環境な会社回りとはいえゴミもないから食べるものも無い。ほっとけば飢えて乾いて死んでしまうのは明らかだけど、かといって無責任にエサだけやっちまったんじゃありがちなエサやり迷惑じいさんばあさんになってしまいます。
こりゃあちゃんと増えないようにケアした上で地域ネコにするのがよかろうと、我慢を解いて挽肉をあげたらよほど空腹だったと見え奪い合うように食べだし先ずは安心。段々近くに寄ってくるしやっぱきゃわいい~ん
明らかに毛艶が良くなっていくのがよく分かりますよね。エサやって良かった!
で、ここからですよ、こいつらの運がいいのは。
うちに回ってくる佐川のおにいさんが大の猫好きらしく、一目見た時から猫なで声。ただ本人は犬猫三匹ずつ飼ってるのでやはり無理と言いつつ、三日もしないうちに知り合いのボラの伝手で里親を見つけてきてくれました!既にいつでも医者に連れていける準備もできているという。
ありがたしとあたしらも早速みっち部長作のにゃんこトラップを使って確保。仕事中にもかかわらず快く里親さん宅までの輸送を引き受けてくれたお兄さんに昨日無事に引き渡しとなりました。
この間ジャスト一週間ですよ。兄弟そろってもらわれていくなんて何と運のいい猫たちではありませんか。幸せになるんだよ~ (+o+)
トラック見送りながらなんかウルウルきちゃいましてね。でも良かった良かった!
そしてにゃんこたちがいなくなった今。なんだかね~、軽いにゃんこロスですわ。
さ・・寂しい・・・・ (*_*;
それにしても飛脚が猫を助ける。運送業界の美談でもありますわな ( *´艸`)
特別付録・鴻池の犬 クロが乗り物にのせられ手代さん付き添いで鴻池家にもらわれていくところ
https://www.youtube.com/watch?v=QwGLFn4e4ik