十日町 前編

今朝は涼しいです! 出もまた暑くなるのかしら? 

 

七月に亡くなった親父の四十九日を来週に控え、故人の希望によりふるさと十日町に分骨を納めるとともに戒名頂いて帰るという使命を帯び、時間無いからってんで土曜日直売会を午前中で抜け自宅帰ってシャワー浴びて大宮から上越新幹線に飛び乗るというタイトスケジュールで旅をスタートしたんであります。

 

すきっ腹で乗り換え構内に入り駅弁屋に行ったらちょうど端境期とあってすき焼き弁当しか置いておらず、さっきまで試食の肉焼いてはお客に出し自分も食べてしていたものを今更よその不味い?肉かよ!とは思ったものの他に選択肢も無く、一時間足らずの乗車だし夜に美味いもん食えばいいやとビールで流し込みつつ久しぶりの車窓を眺めておりました。

 

国境の長いトンネルを抜け着いた越後湯沢からはほくほく線。

一時間一本車両一両のみのローカル線で十日町までの道中半分はスノーシェルターの中という。

それでも垣間見える景色は雪国の短い夏の風情があり山多きふるさとの緑が心に沁みまして。

車中今晩の宿は、と今更確認しますと何と!

てっきり市内駅近だと思い込んでいたそこは次駅松代から車で20分もかかる場所ではありませんか!酔っ払ってエクスペディアぽちってたから間違えたあ~ ( ;∀;)

町の居酒屋かなんかで郷土料理つまみに一杯なんて妄想は泡と消え、それでも電話したら朝晩付いてるとのことで一安心。

どんな場所で何が出るか分かんないけどまあ酒さえあればと。

 

タクシー代5300円で着いてみると松之山温泉なるいい感じにひなびた小さな温泉街でございました。

あれえ、こういうとこ来たいとずっと思ってたようなとこじゃん!いいなあ 

野本旅館も四階建てで小さく古そうながら補修が行き届きとても清潔感ある宿。

和室に布団ってのも実に久しぶり。いいなあ 

このあたりでSNSにつぶやきますと友達みんな知ってるそうで、棚田の原風景や奇祭婿投げで実は有名なんだって。知らなくて恥ずかしい。

風呂入ってからビール飲もうと思って冷蔵庫とか見たら、販売機無いので隣の十一屋商店でお買い求め下さいと書いてありました。

このあたりも町ぐるみ助け合おうという意識が感じられ好感持てまして、どこにでもあるコンビニ作るよりよっぽどいいかと。

ぶらぶら歩きしながら足湯に手を浸けたら熱っちい!

なんでも源泉は80度を超え、普通の湧出型とは違う珍しい薬湯だそうで。

その分というかお風呂は大分水入れて冷ましているためさほど薬湯っぽくはなく、けれども大浴場独り占めでゆったりできて温泉~って感じ。いいなあ ( *´艸`)

 

夜食は別室で年配のカップルが衝立越しにいるだけ。ほぼ貸し切りね。

言っちゃあれだけど最近のあたくしあちこちで美味いもん食って舌が肥えてしまい何が出るかと心配してましたけど、地元のものを丁寧に料理してありどれも美味くって。

山奥なのに無理してトロだの海老天だのだす愚を踏まず、新潟らしく炙りサーモンと甘えび、木の葉の天ぷらなどが小さい宿らしく暖かいものは暖かいまま出されるのも嬉しいんであります。

あとはなんつってもご飯が美味い! これぞ米どころ!

生ビール千円なのに銘酒が800円ってのも酒処ってもんよね。

 

それにしても昼まで試食で汗だくになってたのが嘘のようなこのワープ感。

食後の湯上り、夜のふけるまま思い深く盃傾けつつ墳墓の地を思ったことでございました。

 

後編に続く