フィリップマーロウ
めちゃくちゃな暑さが続いております。
皆さん大丈夫?
ハードボイルド小説のヒーローと言えばフィリップ・マーロウというくらいにレイモンド・チャンドラーが作り出したこのキャラクターは魅力的でございまして、全部読んだ割にどの作品だったか忘れましたが「男はタフでなくては生きてゆけない、優しくなければ生きている資格がない」あまりにも有名な名セリフでございます。
昔の翻訳では「しっかりしていなくては」となっておりましたが、こりゃやっぱり「タフ」でなくっちゃ。
ところがこの「タフ」と「優しさ」を両立させてる男ってのはめったにおりませんで、往々にして「弱さ」の言い訳にしているようで。
七月四日に親父を亡くしお通夜もまだな現在どうにも落ち着かず、それでも仕事は休めず、いずれ長編でその人となりを振り返ろうと思いつつつらつら浮かんでくる思い出を小出しで書こうと思います。
まだ小学生の頃でしたか夜道をどこかから親父と並んで帰ってくる途中目の前の道路で猫が車にはねられたんであります。
すると親父がすっと行って猫を抱いてきて遊歩道の茂みの脇に置いてやりまして。
「次の車にひかれたら可哀そうだから」と。
あたしゃびっくりしましてね~。
すぐ死んでしまうであろうと分かるほどに損傷してましたからね~。
ひかれたのを見て可哀そうと思う人間は多いでしょうがその場で自分の手を汚してまで抱いてやれる人間はそうはいないでありましょう。
「男はタフでなくては生きてゆけない、優しくなければ生きている資格がない」
カッコいい男でありました!