もとまろ

今日も通常営業であります。 

 

妄想歌謡曲のコーナーです。

かなり前に書いた記憶がありますが仕切り直しで、もとまろ「サルビアの花」

 

 いつもいつも思ってたサルビアの花を あなたの部屋の窓に投げ入れたくて

 そして君のベッドにサルビアの赤い花しきつめて

 僕は君を死ぬまで抱きしめていようと

 

いかがでしょうか、ここまでで既に不法侵入、拉致・監禁致死を重ねております。

 

 なのになのにどうして他の人のところへ 僕の愛の方が素敵なのに

 泣きながら君の後を追いかけて花吹雪舞う道を 

 教会の鐘の音はなんて嘘っぱちなのさ

 

にもかかわらず僕の愛の方が素敵とは 

だいたいにおいて思春期に陥りやすいプラトニックな過ちとは相手を大切にすると言いながら自分と同じように呼吸している人間としては捉えず神棚に上げて拝み奉る的な思い入れと言いますか、80年代までのアイドルに対して排泄行為すら想像できない親衛隊に通ずるDT男子特有の偏愛自家中毒でありましょう。

熱愛発覚とか聞くと「そんな女だったのか!」とか怒るのよね。

 

で、追っかけちゃうわけね、泣きながら 

ここで更に悪い方向に向かう事を予想させるのが鐘の音が嘘っぱちと決めつけているところでありまして、本当の君の心は僕を求めているのに自分の気持ちを偽ってると言いたげな。

 

 扉を開けて出てきた君は偽りの花嫁 頬をこわばらせ僕をちらっと見た

 

ほら出た、偽り!

ところがここにきて驚愕の事実に突き当たるんでります。

この男にすれば彼女の態度は僕の素的な愛に背を向けた後ろめたさからくるものと思っているのですが、実は二人に面識はなく、というか人間関係として成り立っていたわけではなく常々付きまとっている男を遠目に彼女が瞑しては怯えていたという。

単なるストーカーっすよ、こいつ!

んで更にこけつまろびつ走って追いかけるんですが、追いついた先での凶行を案じさせるところで歌は終わっております。

同じようなフラれ男でも大瀧詠一「愛しのカレン」はダンパで他の男と踊る恋した彼女を壁にもたれて見ているんですが

 

 おおカレン 淋しい方思いだけが 今も淋しいこの胸を責めるよ

 

と、少なくとも片思いという認識はあって

 

 かたちの無い優しさそれよりも見せかけの魅力を選んだ

 おおカレン 誰より君を愛していた心を知りながら捨てる

 おおカレン フラれた僕より哀しい そうさ哀しい女だね君は

 

と、ちょっと先ほどの男と似た危うさを漂わせながらも最終的には女に責任転嫁することによってかろうじて己のアイデンティの崩壊を防いだという。

そりゃてめえで優しいなんて野郎はろくなもんじゃないし見た目がかっこよきゃその方がいいっすよね。

カレンは悪くない。

悪いのはサルビアだ!! 誰だよそいつ?