カフェバーとペンション
真夏日とかいきなり言われても、現場はやっぱ寒いんであります。
例によって懐古譚でありましておよそ四十年前あたくしの学生時代にカフェバーなるものが世に登場いたしました。
当時まさしく眠らない街であった六本木や麻布あたりから広まりやがて中途半端な地方へも伝播していった中、今は亡き友浅野君が下宿していた我が学びの地熊谷にもその波は遅れてやって来たんであります。
新規開店を聞きつけ一夜二人で出かけましたらいかにも居抜きの急ごしらえと見えるお店に入るなり「へいいらっしゃい!」の声。
着席後当時凝っていたブラッディマリーを注文したら「はい!ブランデーマリーね!」
「絶対昨日まで居酒屋だったよな、ここ」と言い合ったことでございました。
おしゃれ系で言いますとペンションが出来始めたのもその頃で、若い女性でも少し働けば海外を闊歩で来た良き時代、国内では清里や軽井沢が女性客狙いの悪趣味な?デコレーションで埋め尽くされたものでした。
その当時浅野君ともども一番仲の良かったM浦君(今後の話の内容により実名は伏せる)に初めて彼女が出来、初のお泊りはどこやらのペンション行くとのこと。
日本一モテない男を自任するあたくしとしてもいつの日か自分もと興味津々で帰る早々浅野君と共に首尾を聞きに行ったんであります。
M浦君曰く「いや~参ったよ、翌朝オーナーに会ったら、旦那激しいですね!とか言われちゃってさあ」
浅野君との一致した意見は、そこはおそらくペンションではなかったろうと。
田舎のカフェバーみたいだぞ
その後M浦君のあだ名が「激しい旦那」になったことは言うまでもありません。