寝ながら尊敬

寒い朝が続いております。日々気温差が激しいので朝起きるのが辛いという方も多いでしょうね。

どんな朝でも四時間眠ればスパッと起きられる現在が嘘のように、あたくしも昔は朝が苦手でございました。

少年時代今の会社の上にある実家で暮らしていたころ、冬の朝寝ておりますとまだ暗いうちからランニングする号令の声が聞こえてまいりまして、それは近所にある某大学柔道部の合宿所で生活する学生たちの声「い~ちにぃ~いちにいさんしい!」

重量級と思われる重い足音が通っていくのを白河夜船と聞きながら、ああお兄さんたち大変だなあ子供でよかったなあなんてんで。鼻に感じる部屋の冷気と体を包む布団の温みの心地よい温度差を感じながら、いつまでも起きられずグズグズ寝ていたのが風物詩のように冬の朝の思い出となっております。

 

毎度申します通り未明の便で出て六時前に会社に帰ってまいりますと、真っ暗な中近所をバラバラな列になって進むジャージ姿の若者達の姿を見ます。これが件の柔道部員たちなのですが今様と申しましょうか、走ってるよりもダラダラ歩いてる子の方が目立ちまして更にそこには号令もない。

今や駅伝界を席捲する青学は一種の放任主義で箱根を制したそうですが、これはそれとは明らかに違うような?そんなんじゃ勝てね~ぞ!

と。

 

それにしましてもかつて寝ながらお兄さんたちを尊敬した少年は今や彼らの親の年になり、彼らが寝ているうちに仕事を終え追い越しながら心で叱咤するのであります。

時は流れたんでございますなあ。