今年の落語初め

昨年からカヤック仲間で同じ落語ファンのいばさく氏の先達で落語を聞きに行くようになりまして、夕べは今年の聞き初めとして池袋演芸場に行ってまいりました。

自ら剃りこんでいる仮性ゲイハーの師匠と剃らなくても無い真性ゲイハーのあたくし、ゲイとゲイで芸を観賞する元?カヤッカー演芸部第三回でありました。

 

 

先代林家正蔵の命日が近いことから直弟子の正雀が師匠の得意ネタを披露する夕べでした。正蔵というより彦六と言った方が知ってる人が多いかもしれませんね。菊蔵(現菊翁)がもの真似するあの人ね。

それがですよ。演目というのが渋いというか地味というか、結構ディープな落語ファンでないと知らないかもしれない「紫檀楼古木(したんろうふるき)」と「名人長二」。古木の方はあたくしガタがきてからの正蔵、長二は志ん生の通しの音源をそれぞれ持っておりまして、この珍しい噺二席を一度に聞けるなんてラッキーといば師匠に感謝して楽しみました。

 

 

すげ替えを頼んだ流しのらお屋のみすぼらしい老人が実は狂歌の宗匠で、歌のやり取りからそれを知った奥様が羽織を贈ろうと女中を走らせる「紫檀楼古木」。売り声で落とすけどトントン落ちとは違うのんびりとした噺で、活舌とは無縁になった晩年の彦六にはぴったりでしたなあ。

 

 

江戸の昔、指物師で若き名人といわれた長二の出生の秘密にまつわる悲劇を描いた人情噺の大作「名人長二」。通しでやると二時間以上かかろうかという中の、湯河原の湯治から請地の土手までの抜き読みでありました。陰惨な場面の前に切れ場を持ってきたのは師匠への手向けでありましょうか。

 

正雀師匠初めて聞きました。

志ん生、文楽、圓生という稀代の大名人に囲まれて長らく日の当たらなかった師匠正蔵譲りに花はなくとも実直が身上といった高座でしたが、最後に義太夫尽くしで笑わせるあたりは熟練の手練れぶりでありました。

 

 

六時始まりだったので早めにはねまして、丸富水産で打ち上げ。遠方の為いつもは早上がりのいば師匠とも時間があったのでじっくりゲイ談もできまして、楽しい晩となりました。師匠~、企画からチケット手配までお世話になりました!できたら月一やりたいね。

どなたでもよろしいですから落語に興味をお持ちでしたら仲間入りお待ちしております